乳がん Q&A

出典:患者さんのための乳がん診療ガイドライン2019年版  日本乳がん学会編


Q.

乳がん検診について教えてください。

 

A.

乳がん検診は40歳から定期的にマンモグラィによる乳がん検診(検診マンモグラィ)を受けることが勧められます。

マンモグラフィには利益と不利益があります。

 

※乳がん検診の利益である乳がん死亡率減効果が確認されている方法は50歳以上の女性マンモグラフィのみである。

対策型乳がん検診(住民検診)はマンモグラフィで行うことが原則

 

偽陰不利益(デメリット)

偽陰性・・・乳がんがあるにも関わらず、検査で異常なしと判定されること

偽陽性・・・乳がんがないにもかかわらず、検査で「精密検査が必要」と判定されること

過剰診断・・その人の命を奪わない成長の極めて遅いがんまで乳がん検診でみつけてしまう。

 

※どんなにすぐれた検査でも、100%乳がんが発見できるわけではありません。


Q.

乳がんの診断はどのようにして行うのでしょうか。

 

A.

はじめに問診・視触診・マンモグラフィ・超音波検査が行われ、必要な場合にMRI・細胞診・組織診などが行われます。

乳がんの確定診断には一般に組織診で行われ、必要に応じてCTやシンチグラフィなどにより病気の進行度が診断されます。

 

🎀問診 🎀視触診
🎀マンモグラフィ 🎀超音波検査(エコー検査)
🎀その他の画像診断 🎀細胞診および組織診(針生検)など

Q.

乳がんと診断されました。

これから治療を受けるのに、どうしたらよいでしょうか。

 

A.

乳がんがみつかったからには「早く治療を受けたい」と希望されると思います。

しかし、急に治療を始める必要はありません。

まずは、ご自身の乳がんの状態や性質を知り、それに合わせた治療を選ぶことが大切です。

 


Q.

乳がんは遺伝しますか

 

A.

乳がんの5~10%は遺伝性であるといわれていますが、それを判断するには専門的な詳しい評価が必要です。

また、ご家族に乳がんや卵巣がんを発症した方がいなくても、患者さんご自身が若年乳がんや、両側性や多発性の乳がん・男性乳がん・卵巣がんと乳がんの療法にかかったことがある場合などには、遺伝性乳がんの可能性があります。


Q.

不安なとき、どうしたらよいか教えてください。

 

A.

【不安への対処方法】

不安の中には対処できるのもありますので、不安のもとになっている原因を整理して改善することが重要です。

自分の気持ちを整理するのは一人ではなかなか難しいものです。

ご家族や友人など周囲の人と話せることで、気持ちが徐々に整理され安定することもあるでしょう。 

ほかの人に助けを求めることは、むしろ自分の状態を改善するためのよい方法ですので、ためらわず周りの人に相談してみてください。


Q.

誰に相談したらよいでしょうか

 

A.

がん診療拠点病院には「相談支援センター」があります。

治療法や今後の療養や生活など、がん治療にかかわるさまざまな相談に対応しています。

その病院を受診していなくても、どなたでも利用できます。

人によっては、自助グループ(患者会や援助団体)が助けになることもあります。

自らの経験からあなたの状況を理解してくれる人々と一緒にいることで、悩んでいるのが自分一人ではないことがわかり、

心が安らぐとともに、いろいろなことに助言がもらえることもあります。

しかし、不安が長く続いて身体的な症状が改善しない場合には、専門化による援助が必要なおこともあります。